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第202回 東京オリンピック関連銘柄との付き合い方

2013年9月26日

9月8日の早朝、2020年オリンピック開催地が東京に決定しました。経済効果もさることながら、すっかり萎縮していた日本人のマインドが高まることにより引き出される日本の底力というものにも大いに期待が持てるのではないかと筆者は思っています。

この「東京オリンピック開催決定」を受け、翌9月9日の株式市場は、オリンピック関連と位置付けられた銘柄を中心に株価が大きく上昇し、活況を呈しました。この流れは本稿を書いている9月22日時点でも続いています。

オリンピック関連銘柄としてどのような銘柄があるのか、という点については、すでに新聞、雑誌、インターネットなど様々なメディアで紹介されているようですので、本コラムではこうしたオリンピック関連銘柄とどう付き合っていくかという売買技術や知識面についての話をしたいと思います。

まず「中心銘柄」を見つけよう

まずやっておきたいのは、「オリンピック関連銘柄の中心となる銘柄を見つける」ことです。

単に「オリンピック関連」といっても、その業種・銘柄は多岐にわたります。しかし、それらが同じように持続的かつ大きな株価上昇となるかといえば、決してそんなことはありません。

例えば、建設株の多くや、セメント・コンクリートなど建設資材関連株などは9月9日から現在まで高水準の売買高を伴って非常に強い値動きを続けています。しかし、11日に一斉に株価が上昇したホテル株は、鴨川グランドホテル(9695)のように翌日以降株価がさっそく値下がりし、売買高も先細りになってしまった銘柄も多くあります。このように、銘柄により上昇の持続力に差があるのです。

したがって、まずは中心銘柄をしっかりと見極めることが大切です。

中心銘柄は、「9月9日の寄り付きから株価が大きく上昇」「株価の上昇が1-2日で終わるのではなくしばらくの間続いている」「売買高が急増し、その後も高水準で推移している」「株価上昇後、数日一服しても再び上値追いをしている」といった観点から探すとよいでしょう。建設株や建設資材関連株にはこの要件に当てはまる銘柄が多くあります。

9月9日の週の値上がり率上位銘柄を記録して今後に備える

また、今後も再びやってくるであろう「オリンピック関連銘柄」相場に向け、9月9日~13日の週の、毎日および週間の値上がり率上位の銘柄を記録しておくとよいでしょう。これらの銘柄は、再びオリンピック相場が訪れた際に大きな株価上昇が期待できるからです。

なにせオリンピック開催は今から7年後です。まだまだ先の話ですから、何度もこのテーマが蒸し返され、そのたびに関連銘柄は上昇するはずです。今回の急上昇に乗れなかったとしてもチャンスは何度も訪れるでしょう。

株価がすでに急上昇してしまった銘柄をさらに追いかけるのも1つの方法ではありますが、関連銘柄の株価を定期的にウォッチしておき、今後来る新たな買いのチャンスを待つことも重要です。

急上昇銘柄の飛び乗りより出遅れ銘柄の先回り買いがリスク小

銘柄によっては、上昇前の株価からすでに2倍、3倍にまで上昇したものもありますが、こうした銘柄に今から飛び乗って買っていってもよいものでしょうか?

確かに、建設株などは長い間本格的な上昇相場がありませんでしたから、思わぬ高値にまで一気に駆け上がる可能性もないわけではありません。

しかし、デイトレードならともかく、短期間で急騰した銘柄に飛び乗るのはやはりリスクが高い行為と言わざるを得ません。

それよりも、オリンピック関連の業種の中での出遅れ銘柄を探して買う方がその後の株価下落リスクを小さく抑えることができると考えられます。

例えばオリンピック関連の本命と目されている建設株の中でも、9日の寄り付きからいきなり窓を開けてストップ高まで急上昇した銘柄がある一方で、あまり大きく上昇しなかった銘柄もあります。そこで、翌10日以降は9日に急上昇した銘柄の高値を追いかけるのではなく、出遅れている建設株を買うのです。

急騰銘柄への空売りは厳禁

最後に、空売りについての注意点をお話ししておきます。

9月9日以降株価が急騰し、オリンピック関連の中心銘柄となっている鉄建(1815)は、株価上昇に伴い、大量の空売りが入りました。これは、多くの個人投資家が、株価上昇の中を「逆張り」で売り向かったことを意味しています。

しかし筆者は信用取引のルールとして、「必ず順張りで行う」点を順守してもらいたいと思っています。

特にスケールの大きい上昇相場では、「さすがに株価が上昇し過ぎているからもう下がるだろう」と安易に空売りを入れると、上昇が止まらずあっという間に多額の含み損を抱えてしまいます。

また、短期間に株価が上昇すると、新規空売り禁止の規制などがかかることがあります。この状態で株価が上昇すると、空売りをしている投資家は含み損の拡大を我慢するか損失覚悟の買い戻しをするしかありません。踏み上げにより株価上昇にさらに拍車がかかる恐れがあります。

上昇相場の初動では、大量に入った空売りの踏み上げがその後の株価上昇の原動力となります。株価急騰銘柄への安易な空売りは控えるようにしてください。